自然条件との戦い

多雨、台風。過酷な自然条件との戦い

Typhoons bring torrential rains
and severe winds.

「雨の多い宮崎はぶどう栽培に適さない」といわれてきました。
事実ここ都農では、年間降雨量4,000ミリ以上。
世界のぶどう産地の5~8倍もの雨が降ります。
しかも収穫期には台風が襲来、
強風で葉も果実も多大な被害を蒙ることになります。
激しい雨にたたかれて、袋がけした実も変色。
房ごと落とされることもありました。
排水対策、防風林の植樹、
ビニールトンネル栽培、棚作りの工夫。
先覚者たちは苦闘しながらも次々に対応策を講じ、
品種を更新し、都農の風土を反映するぶどうを育ててきたのです。
こうして都農は「尾鈴ぶどう」の産地として
県内外に知られ、昭和60年代には300軒をこす
ぶどう農家が年間2000トンを生産するまでになりました。

「地元産のぶどうのみ」にこだわって

現在都農ではキャンベルアーリーを中心に
マスカットベリーA、デラウェアなどを生産。
平成元年ワイナリー構想が立ち上がり、
生食用に加えて醸造用ぶどうの栽培も始まりました。
そして、地元産のぶどうのみを使って、
都農ならではの風味豊かなワインづくりを実現しようと、
第三セクターで設立されたのが(有)都農ワインです。

いいぶどうがいいワインをつくる

平成6年からはワイナリーのぶどう園では
シャルドネ、カベルネソービニヨン、
シラーをワイン専用品種として育成をはじめた。
乾燥した地域を原産地とする専用品種の栽培には、
困難が伴うことも事実です。
しかし、永友百二スピリットを受け継ぐ生産者たちが、
「いいぶどうがいいワインをつくる」との
信念のもと、不可能を可能にする挑戦を続けています。
南国九州、高温多湿の宮崎で、
欧州種のぶどうが栽培されていること自体、
奇跡に近いという事実をひそかな誇りとして。