[ビンテージレポート2014]
今年は、春先から寒さが続きましたが、例年より数日早い萌芽を迎えました。開花までの気候も安定していて、例年と同じ時期に満開しました。開花期以降の気候はとても暖かく、晩生品種との差がなくなるほど、枝の伸長が早く、結実期から肥大期に誘引などの多くの作業が重なりながらベレゾーンをむかえました。今年は2度の台風を受け、苦労したヴィンテージでしたが、完熟したブドウのみを選別して収穫しました。
[メイキングレポート2014]
醸造では、色やフルーティーな香りを引き出すために、2日間ほど低温で果実を浸漬した後、かもし発酵を行いました。 また、しっかりとした色と味わいの複雑さを出すために、酵母は2種類使用。発酵の温度は、後半にかけて30℃を超えないようコントロールし、パンチダウン、ポンプオーバーを併用し8日間醸し発酵をすすめてきました。発酵終了後は、色や風味を大事にしながら、6ヶ月間タンク熟成をしてきました。そして、味わいを損なわないよう、瓶詰しました。
■やや黒みを帯びた淡いチェリーレッド
やや黒みを帯びた淡いチェリーレッド。アメリカンチェリーのような色合いです。例年に比べ、やや色調が淡い印象を受けますが、グラスを傾けると色のグラデーションが何層にも重なり合い、上品な色合いです。
■森の香りと果物の香りが複雑で上品
ニッケや小枝、薬草や紅茶、腐葉土といった森をイメージさせられる香りをトップに感じますが、すぐに、ベリー系やカラメル、果実を煮詰めたような甘い香りが前面に出てきます。さらに、グラスを回していくと、スミレやジャスミンのような清々しい香りも複雑で上品です。完熟ブドウの魅力が楽しめる香りです。
■優しいタンニンと酸味のバランスが心地よい
優しいタンニンと酸味のバランスが良く心地よく口の中を駆け抜けます。チェリーや赤い木の実のような爽やかな果実味もあり、軽やかさを演出しています。優しいスパイス的なニュアンスやカカオといった甘い感じも複雑で口飽きない味わいです。
■3年から5年はしっかり熟成しそうです。
果実味がしっかりしているので、熟成にも期待できそうです。現時点でも十分楽しめる状態に仕上がっています。果実味が豊かですので、3年から5年かけて良い熟成をしていきそうです。
■適温は12℃~15℃の間で楽しめると思います。
冷やしすぎるとワインの個性を半減させていましますので、やや高めで楽しむと香りも味わいもより深く楽しめそうです。豆腐ハンバーグや鶏肉の醤油ベースの煮物、濃すぎないソースで食べるステーキをレアで、鶏肉、牛肉のタタキ。さらには、シンプルなトマトベースのパスタとも相性がよさそうです。