パイナップルのような甘い香りと秘めた強さを感じる味わい。
熟成も楽しみな、樽発酵、樽熟成、正統派シャルドネ。
<作柄>
自社農園のシャルドネにとって2007年は、台風の影響によってとても過酷な年となりました。強風で痛んだ果実を取り除き、完熟した良いぶどうのみを収穫しました。
2007年は、春先から寒暖の差に恵まれ、順調な生育をみせていましたが、8月2日に台風上陸。その後、風で痛んだ果実を取り除き、熟すのを待ちました。そして、完熟したブドウのみを収穫しました。その量わずか、6,000kg。
詳しくは、こちら。栽培と醸造。
<テイスティングコメント>
■艶のあるイエロー。
黄色のニュアンスが強く、艶のある色合いです。日焼けした草ワラのようなニュアンスもあり、落ち着いた色合いです。
■パイナップルとハーブのような香り
抜栓後、香りの立ち方は、大人しい印象を受けますが、グラスの中で、じわじわと華やいだ香りに激変してきます。最初にパイナップルのような甘い香りにハーブを混ぜ合わせたような香りを感じます。そして、リンゴ、ナシなどの甘い果物、白い花の香りが、ゾクゾクと溢れ出てきます。終盤にかけては、ウメに似た香りも感じながら、樽やアーモンドのような香ばしいさも感じます。グラスの中で激変する香りから、秘めたもの、強さを感じるので、今後の変化に期待していきたいです。
■硬さの中で、旨みを感じる味わいのバランスがいい。
一瞬、滑らかに感じる舌触りですが、酸味と果実味がしっかりと核となっていて、存在感を主張しています。そして、アルコールによるキレも感じさせられるので、引き締まりのある味わいになっています。硬さを感じるところもありますが、旨みを感じるほどの複雑味が、酸味とのバランスをとり、力強さの支えになっています。グラスの中で時間とともに変化する味わいも楽しめ、終盤にかけては、グレープフルーツのような心地よい酸味が余韻を楽しませてくれます。今でも楽しめワインですが、6ヵ月後、1年後・・・ビン熟成による変化も楽しみです。
■熟成は期待できます。
果実味、酸味、アルコールによるキレもある味わい。いい硬さを感じます。そして、旨みを感じる味わいの複雑味が、味わいのバランスをとっているので、今後、ビン内で熟成することによって、更に香りが開き、力強よく熟成していきそうです。保存状態にもよりますが、3~5年は楽しめると思います。
■地鶏の刺身、豚シャブとあいそう!
地鶏のさっぱりとした旨みのある刺身や焼き鳥、チキン南蛮、そして、旬の山菜の天ぷら、や煮物。肉では、豚シャブやせいろ蒸しなど、いろんな料理と楽しめると思います。冷やしすぎるとシャルドネの旨味が半減されますで、10℃~15℃ぐらいがオススメ!
■ビンテージレポート 2007
2007年の雨量は、2300㎜程度と平年並み。春先から、朝晩の低温が続き、寒暖の差のある春になり、充実した生育を見せていました。順調に生育していた中、7月14日、8月2日と相次ぐ台風の襲来。風にさらされたブドウは、大きなダメージを受けました。
収獲は、風で痛んだブドウを取り除き、8月下旬から良質なものだけを収獲しました。収穫量は減りましたが、風味豊かなブドウを収獲する事ができました。
■メイキングレポート 2007
果汁を酸化させないよう作業を工夫し、搾汁率を落とし、良質な果汁のみをフレンチオーク樽の中で発酵させました。樽は新樽率50%、主としてヌベール。トーストはミディアム+。発酵温度15度~18度、発酵期間は3週間。
アルコール発酵終了後、6ヶ月間樽で熟成させました。その間、酵母と接触させる、シュールリーを行い、複雑味と味わいの厚味を持たせるようにしました。そして、シャルドネ自身の持つ果実味、味わい深さを引き出すよう醸造に努めました。
土づくりに取り組み始めて10年目、まさにその歳月は、自然との対話の連続でした。特に2007年は、トロピカルな甘い果物の香りやココナッツなど、シャルドネ本来の風味が前面に出てくるようになりました。
★オンラインショッピングは、22日より開設いたします。
赤尾