心地よい酸味と優しいタンニンながらも、
骨格のしっかりとした味わいが楽しめる。
エレガントタッチの和風シラー。[ビンテージレポート2015]
今年は、例年と同じくらいの時期に萌芽を迎え、5月までは安定した気候が続きました。しかし、梅雨入り以降5月下旬から7月下旬まで曇雨天が続き、連日の小雨にぶどうが病気で駄目になるのではと悩まされましたが、8月に入り安定した気候が続き、それに伴って色も熟度も上がりました。また、8月下旬には、台風15号襲来もありましたが、強風の影響も大きくは受けず、なんとか収穫まで辿り着くことができました。まさに、奇跡的な収穫となりました。
■明るめのガーネット色
ガーネットやビロードのような落ち着いた色合いでとてもシックな印象。グラスをつたう雫からとろみがあるのがうかがえます。黒みがかった色調のやや明るめのガーネット色がとても綺麗です。
■白胡椒や山椒に加え、甘い香りも楽しめる
グラスに注がれた瞬間は、シナモンや白胡椒、山椒のようなスパイス系の香りが第一印象。後からチョコレートや黒糖のような甘い香りがします。グラスを回すと、ミントや針葉樹のような爽やかな香りが強くなります。また、樽の香りが心地よく、これからの成熟にも期待が持てる香りです。
■和食にあうエレガントタッチの和風シラー
白胡椒や山椒のようなスパイシーな味わいが広がり、心地よい酸味が優しいタンニンと良いバランスをとりながら、一体感のある味わいを構成しています。和風シラーといった感じで、和食に合いそうです。エレガントなタッチながらも、骨格のしっかりとした味わいが楽しめ、また、樽の雰囲気が良いアクセントになり、深みのある干しブドウのような風味が余韻を長く楽しませてくれます。
■今後の熟成にも
若い印象もある今の状態ですが、1年から2年はこの若さも楽しめ、3年から5年と熟成した雰囲気も複雑で面白そうです。定期観察が必須です。
■スジ肉の煮物と是非!
10℃~15℃と冷やしすぎないようにしてお楽しみください。肉料理全般と良い相性をみせます。濃すぎない味付けで、スジ肉の醤油や味噌ベースの煮物やトマト風味の効いたトリッパ。また、パストラミや燻製、デミグラスやバルサミコソースなどを使った料理とも楽しめます。