早熟品種を探し求め辿りついたのがテンプラニーリョでした。スペイン語で「テンプラーノ」=「早熟な」という意味です。台風の多い宮崎の地に適していると、2008年に定植しました。優しい味わいながらもしっかりとして味わいを魅せる、都農のテンプラニーリョをお楽しみください。
【ビンテージレポート 2017】
今年は春先から5月くらいまで冷え込んだ影響で、萌芽が例年より1週間遅くなりました。そのまま開花期間まで生育が遅れ、満開期は例年より10日ほど遅くなりました。梅雨は例年並みとなり、結実も順調でした。台風の影響も受けることなく、7月、8月と安定した気候が続き、豊富な日照のおかげで、熟度の上がったブドウを収穫できました。
【メイキングレポート 2017】
選別しながら収穫。その後選果台を使って丁寧な選別を行いました。数種類の酵母を組み合わせ、10日程度の醸し発酵。その間、果実、果皮に含まれる色や渋味、旨味を引き出すために、櫂入れや液循環を行い、バスケットプレスで搾汁。その後、9ヶ月間程度フレンチオークで樽熟成させました。
■濃いダークチェリーレッドのような大人な色調
濃いダークチェリーレッドのような大人な色調から赤レンガのニュアンスも感じます。赤レンガ色から熟成された様子がうかがえ、また、グラスをつたうワインの様子から粘性もみられます。
重みを感じる色合いのグラデーションがとてもきれいです。
■濃縮感のあるベリー系の華やかな香り
エレガントな赤い花の香りの中に、チョコレートや黒糖のような甘い香りが広がります。また、干し草やオークのニュアンスを感じられ、より上質で複雑な香りも楽しむことができます。グラスを回すと、濃縮したドライプラムやブラックチェリーなどのベリー系の香りがより一層華やかに感じられます。
■果実味とタンニンの一体感のある味わい
ブラックベリーやドライイチジクのようなベリー系の心地よい果実味と、優しいタンニンが綺麗に重なり合い味わいに一体感があります。柔らかい渋みや香りから和の雰囲気を感じられ、また、ニッケやスパイス系の複雑さも楽しむことができます。余韻も長く楽しめ、熟成にも期待が持てる味わいです。
■今後の熟成については
タンニンにボリュームがあるので、今でも十分楽しめますが、3年から5年と熟成しても面白そうです。
■シンプルながらも複雑な味わいの料理とぜひ!
10℃~15℃と冷やしすぎないようにしてお楽しみください。肉料理全般と良い相性をみせます。ポークやジビエのソーセージの豆煮込み、トマトや赤ワインのリゾット、コクのあるチーズを使ったニョッキなど、重たすぎない料理とお楽しみください。