[ビンテージレポート2017]
2017年は、春先からの気候は安定していて、例年と同じ時期に萌芽を迎えました。
昨年の長雨の影響もあり、生育にバラツキがあるものの、順調に推移してきました。
梅雨は例年並みとなり、開花、結実期も順調にのりきれました。
7月、8月と安定した気候が続き、豊富な日照のおかげで、熟度の上がったブドウを収穫できました。
果実味豊かなブドウを丁寧に醸造してきました。
[2017メイキングレポート]
選別しながら収穫を行い、良質な果実のみを仕込みました。
その後、数種類の酵母を組み合わせ、10日程度の醸し発酵を試みました。
その間、果実、果皮に含まれる色や渋味、旨味を引き出すために、櫂入れや液循環を行い、
低圧でプレス。16ヶ月間程度フレンチオークで樽熟成させました。
[和を感じるあずき色]
和を感じるあずきのような色合いでとても落ち着いた印象。光沢のあるレンガ色がかった
美しいグラデーションに、良質で上品な熟成感を感じます。
[黒胡椒と甘い香りのハーモニー]
黒胡椒や山椒のように、スパイシーな香りが印象的。追いかけてくるように、カカオやチョコレート、
黒糖のような甘い香りが開きます。グラスを回すと、スパイシーな香りがより一層強く感じられます。
また、心地よいベリー系や樽の香りが開き、大人の贅沢を楽しませてくれる香りです。
[紅茶や和のスパイスの香りがとても華やかな印象]
熟した赤い果実やプラムにスパイスが加わり、味わいに厚みを与えます。口当たりの良いタンニンと、
口の中で広がる紅茶のような豊潤な香りは、和食との相性も良さそうです。
カカオやチョコレートのように甘い余韻があり、一口で様々な変化を楽しめるワインです。
[今後の熟成にも]
若い印象もある今の状態ですが、1年から2年はこの若さも楽しめ、3年から5年と熟成した
雰囲気も複雑で面白そうです。今後、定期観察が必須です。
[和のテイストのお肉料理と!]
和のテイストのお肉料理との良いペアリングを見せそうです。
牛すじのおでんや味噌ベースの煮物、肉じゃが、すき焼きなど、料理のスパイスのアクセント
としての良い相性を見せてくれます。
もちろん、牛ホホにくの赤ワイン煮込みやローストビーフなどの西洋料理との相性も抜群です。
香りや味わいを十二分に引き出すために、10℃~15℃くらいの常温でお楽しみください。