日経トレンディー(4月号)の特集、“「ニッポン発」が世界を攻める”というコナーで都農ワインを紹介してくださいました。ニッポンの”ものづくり”が海外に認められたとして、地方企業の皆さんを紹介しています。読み応えあります。地方の中小企業は、すごいです!!どうぞご覧ください。
県内でも有数のぶどうの産地である都農町。
“尾鈴ぶどう”として生食用ぶどうの知名度は高いものの、価格低迷により廃業に追い込まれる農家が増えていた。そこで、ぶどうに付加価値をつけて新たな特産品をつくろうと、94年、第三セクター・都農ワインが誕生する。
当初、都農町は、県と共同研究でワイン試作を繰り返すが、期待とは裏腹に“美味しいワイン”とは程遠いものだった。そこで町は、醸造家を募ることに。「宮崎県で醸造家募集・・・」この話に、醸造技術者である小畑(現在、都農ワイン工場長)は飛びついた。南米のワイン工場で支配人を務めた経験をかわれて、96年工場長に就任した小畑は、“世界に通用するワインを造る”と断言。
一方、地元の生産農家のワインに対する認識は甘かったようだ。よそ者”(北海道出身の小畑)が、地元農家に口を出すのはタブーとされる中、「いいぶどうなくして良質なワインは造れない」と訴える小畑。認識の違いから、農家や行政と衝突することもしばしば。ぶどうの質の重要性を根気強く説得する中、96年秋、初出荷を迎えた。試作とは比較にならない程美味しいワインができたことで農家の意識にも変化が現れはじめ、品質も徐々に向上してくる。
高温多湿で“台風銀座”といわれる宮崎。ワイン専用のぶどう栽培には不向きともいえる風土だが、独自の農法を取り入れ、試行錯誤の末、都農独自の香りの高いシャルドネを実らせることができた。
2005年の国産ワインコンクールでは、このシャルドネから出来たワインが金賞を受賞するなど、周囲を驚かせる結果をもたらした。
良質のワインには、質の高いぶどうが必要。
その為のよい土壌づくりも欠かせない。
一人の“よそ者”が、地元農家・行政を巻き込んで町を動かした。
そして、次の目標は、ワイン専用種でつくる本格派“赤ワイン”。
小畑工場長の挑戦は続く。