都農でも朝晩が随分涼しくなり、寒くなったなと感じさせられる気候になってきました。工場内でも寒い、寒い・・・。
「え~っ –2℃!?ですか!!ワインは、凍らないんですか!?」とお客さん。
そう、発酵が終わり、瓶詰までの間にもっとも時間のかかる作業が冷却処理。-2℃~-3℃で2週間ほどワインを冷却します。アルコールが含まれているので、-3℃くらいまでは、凍ったりする事はありません。冷却処理は、ワインに含まれる酒石酸をタンク内で結晶化させ沈殿させています。その後は、上澄みをろ過して瓶詰です。
写真左は、タンク内の温度。さむぅ~。写真右は、タンクに断熱材を巻いてあるタンク(熱を逃がさないためです)
ブドウに含まれる酸味(酒石酸、リンゴ酸などで構成されています)には、酒石酸がもっとも多く含まれています。この酒石酸が時間の経過や低温になると結晶化し、沈殿します。
冷却処理をしないまま、ビンに詰められたワインは、ビン底に酒石酸の結晶化したものが沈殿(オリと呼ばれます)します。
写真左は、断熱材を巻いていない裸のタンク。写真右は、断熱をしていないタンクで冷却した場合、タンク外側に、氷がはります。(外気が冷えとってもさむぅ~です)
しかし、冷却処理をしすぎるとワインの色素や味わいも若干落ちていきます。特に赤ワインは顕著に現れますので、ある程度のところで、オリ引きを行うようにしています。ブドウ由来の酒石酸ですので、まったく無害なものです。
写真は、タンクから試験管にサンプリングして冷凍庫で凍らせ、どの程度酒石酸が落ちたのか確認している時の写真です。写真右のように試験管の下に白い結晶化した酒石酸が確認できます。
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