最後の仕込みとなった、マスカット・ベリーA エステート。
細かな選果を行い、完熟したブドウのみを仕込みました。
平均糖度は21度。とっても甘く風味豊かなブドウになりました。
ブドウ栽培は、とても奥深いなと感じた2009年のビンテージ。
私達は、品種ごとの適時作業、作業の均一化を図ることを一番の
目標にしています。そして、気候の変化に沿って変化するブドウの
表情を判断し、人手の段取りをして作業の指示を出しています。
これまで、雨の多い都農でのブドウ栽培を経験してきましたが、
雨の少ない都農で、ブドウの栽培を経験することになったのは初めて。
しかも、寒暖の差もあり、台風襲来もなく、好条件が整ったと…。
確かにいい面もありました。赤系の品種では、熟度を上げることができました。
しかし、私たちの黒ボクと言われる土壌は、非常に乾燥をしやすく、
路地の少雨は、土壌が極度に乾燥してしまい、植物に大きなストレスが
かかるようです。実際、潅水のテストなどやりましたが、そこだけ、充実した
良い生育を見せてくれました。潅水を全園にするのは物理的に無理な
作業になりますので、もどかしかったですけど…。
黒ボク土壌は、雨の多いこの地域で、水はけが良いというメリットが
ありますが、少雨によって、デメリットになったような印象です。
そこで、草をできるだけ刈らずに、土壌の水分確保に努めました。
草ボーボーのブドウ園でしたけど…。
その結果も若干あったとは思いますが、ベリーAでは、非常に良い結果を
導いてくれました。シャルドネも、後半痛みが多くなり、収穫時の選果が
大変でしたが内容の濃い果実になりました。
気候環境だけ見ると、ビックビンテージに相応しい好条件ですが、
都農に当てはめると、一概には、、、という複雑な作柄でした。
栽培では、いろいろと今後の参考にもなる、いい経験ができたと思っています。
これからの醸造の作業を丁寧にすすめ、しっかりと醸造をしていきたいです。
宮崎市でバッカーのというワインバーを経営するソムリエ馬場さん。
先日、収穫中にカベルネを見てもらいました。いくつかちぎっていただきました。
また、仕込んでいるワインの味も客観的にいろいろ見てもらい、とても参考になる
意見をいただきました。とても刺激になるひと時でした。
赤尾