2008シラーの瓶詰をしました。
■都農初のシラー「 SYRAH ビンテージ2008 」
試行錯誤を繰り返し、15年・・・。あきらめなくてよかった。
2008年8月、初めて納得のいくブドウを収穫することができました。さらに、15年目にして初めて台風襲来もなく、ブドウの熟度も上昇。試行錯誤と奇跡が重なって誕生した、都農初のシラーです。
■フランスのシラーでもなく、オーストラリアのシラーズでもない、都農のシラー。
「温暖な地域だから、シラーは合うんじゃない?」とよく言われますが、シラーは、栽培性がとても難しい品種です。宮崎では、暖かすぎますし、湿度も高い。高温多湿の環境なのです。それに比べシラーの銘醸地は、乾燥していて、土壌に豊かなミネラルがあり、朝晩の寒暖の差もしっかりあります。
この気候の違いを、土づくりや月の満ち欠けに沿った肥培管理、草性栽培、整枝剪定方法、台風対策と様々な栽培方法を試みてきました。業界内の固定概念にとらわれず、この地に合った栽培方法を地元の農業者に学び、15年間試行錯誤を続けてきました。
ブドウには年輪がありませんが、毎年、養分を蓄積して太くなります。私たち栽培者も、毎年の経験を年輪のように蓄積していくように努めてきました。
■皮の旨味を引き出す醸し発酵「 SYRAH メイキング 2008 」
選別しながら収穫を行い、良質な果実のみを仕込みました。通常赤ワインの醸しは、1週間から10日前後の期間行いますが、今回は、数種類の酵母を組み合わせ、4週間の醸し発酵を試みました。長期間の醸しは、果皮が傷みやすくなるので、リスクを伴います。しかしその分、果実、果皮に含まれる色や渋味、旨味を引き出すことができます。その後、低圧でプレス。2カ月ステンレスタンクで寝かせた後、樽へ移動し、17ヶ月間フレンチオークで樽熟成させました。
6月中旬まで瓶で寝かせ、リリースしたいと思います。
赤尾