心地よい酸味と優しいタンニンながらも、骨格のしっかりとした味わいが楽しめる。
エレガントタッチの和風シラー。
[ビンテージレポート2016]
2016年は、春先からの気候は安定していて、例年と同じ時期に萌芽を迎えました。昨年の長雨の影響もあり、生育にバラツキがあるものの、順調に推移してきました。梅雨は例年並みとなり、開花、結実期も順調にのりきれました。
7月、8月と安定した気候が続き、豊富な日照のおかげで、熟度の上がったブドウを収穫できました。果実味豊かなブドウを丁寧に醸造してきました。
[2016メイキングレポート]
選別しながら収穫を行い、良質な果実のみを仕込みました。その後、数種類の酵母を組み合わせ、10日程度の醸し発酵を試みました。その間、果実、果皮に含まれる色や渋味、旨味を引き出すために、櫂入れや液循環を行い、低圧でプレス。16ヶ月間程度フレンチオークで樽熟成させました。
■テイスティングコメント
■ビロードのような落ち着いた色合い
ビロードのような落ち着いた色合いでとてもシックな印象。光沢のあるレンガ色の色合いからしっかりとした大人な色合いまでのグラデーションがとてもきれいです。レンガ色から熟成されていることがうかがえます。
■紅茶や和のスパイスの香りがとても華やかな印象
グラスを注がれた瞬間、ブラックティーのような紅茶の香りが第一印象。後から、ハーブや山椒のようなスパイス系の香りも楽しめます。グラスを回すと、黒糖やベリー系の甘い香りが調和し、より一層華やかな印象にしてくれます。また、樽の香りが心地よく、これからの成熟にも期待が持てる香りです。
■和食にあうエレガントタッチの和風シラー
白胡椒や山椒のようなスパイシーな印象が口の中に広がり、心地よい酸味が優しいタンニンと一体感のある味わいを構成しています。和風シラーといった感じで、和食に合いそうです。エレガントなタッチながらも、骨格のしっかりとした味わいが楽しめそうです。また、樽の雰囲気が良いアクセントになり、深みのある干しブドウのような風味が余韻を長く楽しませてくれます。
■今後の熟成にも
若い印象もある今の状態ですが、1年から2年はこの若さも楽しめ、3年から5年と熟成した雰囲気も複雑で面白そうです。定期観察が必須です。
■スジ肉の煮物と是非!
10℃~15℃と冷やしすぎないようにしてお楽しみください。肉料理全般と良い相性をみせます。濃すぎない味付けで、スジ肉の醤油や味噌ベースの煮物やトマト風味の効いたトリッパ。また、パストラミや燻製、デミグラスやバルサミコソースなどを使った料理とも楽しめます。