心地よい酸味と優しいタンニンながらも、骨格のしっかりとした味わいが楽しめる。エレガントタッチの和風シラー。
[ビンテージレポート2018]
2018年は、春先から5月くらいまで冷え込んだ影響で、萌芽が例年より1週間遅くなりました。そのまま開花期間まで生育が遅れ、満開期は例年より10日ほど遅くなりました。梅雨は例年並みとなり、結実も順調でした。台風の影響を受けることなく、7月、8月と安定した気候が続き、豊な日照のおかげで、熟度の上がったブドウを収穫できました。
[2018メイキングレポート]
選別しながら収穫を行い、良質な果実のみを仕込みました。その後、数種類の酵母を組み合わせ、10日程度の醸し発酵を試みました。その間、果実、果皮に含まれる色や渋味、旨味を引き出すために、櫂入れや液循環を行い、低圧でプレス。16ヶ月間程度フレンチオークで樽熟成させました。
[オレンジがかったクリアな淡いガーネットの色合い]
オレンジがかったクリアな淡いガーネット色。ダークチェリーのような落ち着いた色合いのグラデーションがとてもきれいで、光沢のあるレンガ色からは、上品な熟成感がうかがえます。
[次々にあふれる香りが織りなす上質な雰囲気]
はじめに心地よい樽の香り、腐葉土、黒糖のような甘い香りなど、次々にグラスから香りが追いかけてきます。グラスを回すとシナモンや山椒のようなスパイシーな香り、ハーブ、オレンジピール、ドライフルーツなどの香りが重なり合って立ち上がります。香りの調和がよく、複雑な香りが楽しめ、上質な雰囲気を感じます。
[南国らしい味わいのシラー]
心地よい酸味、口当たりの良いタンニンと豊かな果実味が、バランスよく口に広がります。樽のスモーキーさがアクセントとなり、カカオや深みのある熟成した赤い果実の風味が余韻を長く楽しませてくれます。ミントのような爽やかさに、熟したリンゴのような甘みも感じ、南国らしい味わいのシラーです。
[今後の熟成にも]
若い印象もある今の状態ですが、1年から2年はこの若さも楽しめ、3年から5年と熟成した
雰囲気も複雑で面白そうです。今後、定期観察が必須です。
[和のテイストのお肉料理と!]
和のテイストのお肉料理との良いペアリングを見せそうです。
牛すじのおでんや味噌ベースの煮物、肉じゃが、すき焼きなど、料理のスパイスのアクセント
としての良い相性を見せてくれます。
もちろん、牛ホホにくの赤ワイン煮込みやローストビーフなどの西洋料理との相性も抜群です。
香りや味わいを十二分に引き出すために、10℃~15℃くらいの常温でお楽しみください。